これが本当に、自分のやりたかった人生か?

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後継者に多い悩み「これは本当に自分が望んだ人生?」

梅木 今回は自分のやりたかった人生と経営ということでよくご質問をいただく中でもよくある質問です。自分がやっている経営であったり仕事というものが本当にやりたかったのかとか、特に後継者の方の場合は、親から仕方なくといったような形で、自分の本当にモチベーションがあまり上がらないんだというような声を聞くことがあります。ここについて塾長の方からアドバイスや勇気を与えていただければと思いますので、よろしくお願いします。

首藤 まず、やりたかった人生なのかっていう質問なんですけれども、本当にやりたい人生というものを考えた上で、言ってるのか言ってないのかっていうのが結構大きいのかなと思います。

特に何代目の方っていうのはですね、当然幼少の頃から青年期にかけて、自分は父の会社、親の会社を継ぐんだろうなというふうに自分も思いますし、周りもそういうような目で見たり言動をしたりすると思います。そうすると、どうしてもやりたいというよりも、やらざるを得ないとか、さも生まれたときから決まっている自分の義務のような、そんな気持ちを持って、実は自分の人生をこういうふうに過ごしたいということは抜きにやりたいかやりたくないか、どちらかというと義務なのでやりたくないというふうに思ってから、親の仕事を継ぐというようなことがあって、そこにフォーカスしていないんですね。

5年、10年、長い人だと20年ぐらい経って、それで50、60になった上で、本当に自分の人生って、親の会社を継ぐっていうことが良かったのか悪かったのか、やりたかったのか、やりたくなかったのかというようなところに陥る方っていうのはたくさんいると思います。

その上で、どういうふうにしたらいいのかっていうことですから、まずはやっぱり経営を志すのであればですね、自分がどんな経営をしたいのかとか、または自分自身がどういうような生き方をしたいのかだとか、まずそういうところを特に若い方であればですね、20年、30年後の自分の人生をまず構想した上でですね、自分の今の仕事に打ち込まれてはいかがかなというふうに考えます。

2年後、3年後ではなく20年後、30年後を思い描く

梅木 まず、自分の人生20年、30年後の人生を構築する想像するということですね。ここでよくある意見としては、20年、30年後のことなんか分からないよと。人生がどうなってるのか分からないから、目の前のこと、まずは3年後、せめて3年後ぐらいしかわからないんだから、20年も30年後も考えられないというような意見があると思うんですが、この点はいかがでしょうか?

首藤 それは本当によく聞きますね。2、3年後ぐらいだったら見通せるけど、10年、20年なんか見通せないというようなお話なんですけども、この20年後、30年後っていうのは見通しを作るわけじゃないですよね。自分で想定する、自分で想像するということなんですよ。ですから、世の中がどうあれこうあれ、日本経済がどうあれこうあれ、世界経済がどうあれこうあれ、自分は30年後にこういうような人生を送った人間になりたいというふうに考えることですよね。

なかなか当たるか当たらないかは別にしてですね。ただ、やはりそういう20年後、30年後に大きな夢を持って生きている方と、いや、そうではなくて、2、3年を自分で想定して、想定の幅の中で生きていこうという方であれば、どちらが経営者として魅力的かという意味においては、必ず前者、大きな夢を持ってその夢にチャレンジしている方の方が、経営者として、従業員として、経営者を見るにあたってですね、ついていきたいなと思える人になるんじゃないかなと思います。

ですから、繰り返しになりますけれども、2、3年後を想定するのではなくて、20年後、30年後を想像するように、クリエイティブな、またはイマジネーショナルな、そういうような夢をつくっていただきたいと思います。

20年後、30年後の人生を思い描くポイント

梅木 確かにそうですよね。稲盛和夫さんも経営計画はいらないと言いつつも、日本一になるんだ世界一になるんだというような夢を社員に問い続けていたわけですから、大きな夢というのが大事ですよね。

ここで夢の立て方のところなんですけども、今がこうだから、そうなると10年後はこの辺かなというような立て方にどうしてもなってしまうという声をよく聞くんですけども、この20年後を立てる時に、塾長の方から「大きな」という言葉をいただきましたが、この大きなことを作っていく上で大切になるポイントがありましたらお願いします。

首藤 やはり経営者というとですね、特に中小企業の経営者は、リソースとしてはその方の人間力というものが非常に大きな要素になります。人間力、なかなか難しい言葉ですけども、人間の器というふうにも言ってもいいと思いますし、人生哲学に則った人生を生きている人というふうに言ってもいいのかもしれません。そういった意味ではですね、20年後、30年後に自分は、一緒に働いた仲間からどういうような評価を得たいのかとかですね、最終的にお葬式でどんな弔辞を読まれたいのかとか、そういうところを切り口に考えられるのもいいんじゃないかなとというふうに思います。

やはり何事でも一生懸命になって、極端な言い方かもしれませんけど、寝食を忘れてですね、共に何かに打ち込んだ仲間というのは損得勘定抜きに人生を一緒に歩んでいったという大きな共感力というのを持つと思いますから、ぜひそういうことをですね、従業員さんと一緒に歩んでいけるような、そういうような大きな夢を作ってもらいたいなというふうに思います。

梅木 今回は「経営と人生」というところの目的を考えていく中でも、人生を大きく考えて、20年後、30年後を想像して、そして今目の前にある仕事と向き合っていくということが経営者にとって重要だということが大変よく分かりました。

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