そのやり方、過去の成功体験に縛られていませんか?

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そのやり方、過去の成功体験に縛られていませんか?

梅木 今回は経営者の器と人生哲学という大きなテーマの中なんですが、まず今日取り上げたいところは、過去の成功体験に縛られていませんか?という内容となっております。成功体験というところ、知らないうちに積み重ねてしまうと思うのですが、まずこの成功体験がどのような弊害が出る、またはいつの間にか積み重なってしまうという点について、塾長からよろしくお願いいたします。

首藤 やはり経営者というのはですね、当たり前なんですけど、その組織のトップですから、ほとんどの場合、その組織に属している方は経営者に対してノーということが言いづらい、言えないような雰囲気です。

で、経営者の方が、外に情報源を持っていて、それなりに的確な指示を出しているうちはいいですし、多分経営者の方っていうので、うまくいっている方しかこういう弊害は出ませんので、うまくいっている方って、ある一定程度の時期までは外部からの情報源だとか、またはその方が持っていらっしゃる知見だとか、そういうものをもとに、その組織の中でナンバーワンとしての判断ができるというようなことができているわけですけれども、それがある程度、例えば5年から10年、あんまり外の刺激が無く、もしくは外の会社の方々、社会からも認められた会社になると、周りの方自体もその社長をある意味立ててしまうからですね、本当に必要な情報が入ってこない、そういうような情報不足の中で判断しなければならないし、また結局はノーと言ってくれる方がいないということで、非常に大きな間違った判断、また間違った指示を出す可能性が高くなるというのが1個の弊害です。

梅木 知らないうちに出てしまうというところですね。具体的に、例えば人事評価制度を入れました、これがうまくいっている、ですけど、やはり時間が経つと弊害が出てくる。だから新しくしてしまいたい。この時に、もし成功体験が知らないうちにあると、具体的にどのようなことが起こるのでしょうか?

首藤 人事評価制度自体ですね、ある組織がある時代において、ある意味最適解があるかもしれないというぐらいの話で、どんな組織でも、どんな時代でも最適解があるというふうに考えると、大きな間違いがあると思っています。

ですから、ある程度成功された経営者がそもそも以前に作られた人事評価制度の時に、どんな思いを込めて作られたのかということをあまり考えずに、また以前作られた人事評価制度の時代と今の時代の変化、もしくはその組織の変化をはっきりさせずにですね、次の人事評価制度を、なおかつ自分のある意味一番コンフォータブルな、例えば論理的に正しいかもしれないですけど、本当にその会社のためになるかどうかわからないような、そのような意図を持って作られるというのは非常に大きな危険性があると思っています。

梅木 そのような正しいと思い込んでしまうということは、今回、人事評価制度を例に取り上げましたが、他にもいろいろとありそうですね。気をつけていく必要があると思います。次に、この成功体験、やはり知らないうちに出てくるんですけども、どうやってここを疑うことができるのか、捨てることができるのか、この点についていかがでしょうか?

首藤 やはりこういう現状を構成しているのとは違う社会に飛び出ていくことだというふうに考えたらいいと思います。当然、会社を運営しているわけですから、一生というか、1年間ずっと飛び出てしまっては、ダメな話ですけれども、今とは違う文化を持った組織に行く。例えば海外旅行に1週間、2週間行ってみるというのも1つでしょうし、もしくは自分である一定程度決めたメンターっていうものを、この新しいメンターを1年、2年、3年おきに作って変えていくというのも1つだと思いますし、全く利害関係のない経営者仲間とともにですね、ちょっと違った会合、もしくは体験を持つというのも大きなポイントだと思います。

梅木 いわゆる非日常といいますか、当たり前から外れていくということを意図的にやっていくということが大切だということですね。ちなみになんですけども、塾長は成功体験を外すために具体的にどのようなことを取り組みとしてされておりますでしょうか?

首藤 やっぱり年間ですね、3回から4回ぐらい、ほぼ1週間程度の旅行だとか合宿だとか、そういうところに行くということと、勉強会仲間と年間6回ぐらいお会いすることだとか、またはですね、結構今までとは違った本を読んで、そういう違う趣旨のだとか、違う文化を持った本の中から自分の体験を洗い直してみるみたいなことをしています。

梅木 本とか旅とか、特に本は今すぐにでも誰でもできそうなので、是非取り入れていきたいなというふうに思っております。今日は成功体験をいかに持たないようには難しいんですけども、気をつけていくのか、そしてどのようにして定期的に更新していくのかについて、大変勉強になりました。

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