導入経緯
出会い
弊社主催の勉強会「しるべ塾」。その懇親会の席で、斎藤塗料の菅取締役から切実なご相談をいただいたのが始まり。5代目として事業承継を予定されている菅取締役は、会社の未来を担う立場として、強い危機感を抱えていらっしゃいました。じっくりとお話を伺い、後日、会社へお伺いする運びとなりました。
「何をどうしてよいか解らない」‐ 複雑に絡み合った経営課題
菅取締役のお悩みは、決して一つの問題ではありませんでした。
「新商品ができ、営業もうまくいっているはずだった…」
「社員がそれぞれ頑張ってはいるが、どうも皆が同じ方向を見ていない気がする」
お話を伺う中で、課題は組織の根幹にまで及んでいることが明らかになりました。
- 財務・計数管理の課題:商品別・顧客別の原価や採算が不明確。
- 業務プロセスの課題:在庫やキャッシュフローの管理ができていない。
- 組織マネジメントの課題:KPI(重要業績評価指標)がなく、日次・週次・月次の管理サイクルが機能していない。会議もうまく機能していない。
これらの問題が複雑に絡み合い、「何を、どこから手をつければ良いのかわからない」という状況でした。
「分析」と「計画」‐ 会社の未来を指し示す二本の柱
私たちは、この状況を打開するために二つの大きな提案をしました。
一つは、徹底した「粗利分析」です。
どの商品が、どの顧客との取引で、どれくらい利益を生んでいるのか。これまで捉えられていなかった事業の採算構造を、データに基づいて「見える化」すること。これが、全ての打ち手の出発点となります。
もう一つは、「中期経営計画」の策定です。
長期的なビジョン、粗利率と経常利益の明確な目標の設定、SWOTなどによる現状分析、そしてそれらの情報から、「今、何をすべきか」を具体的な行動計画に落とし込んでいきました。
幸い、菅取締役はこの提案に非常に前向きな反応を示してくださいました。
漠然とした不安の正体が整理され、進むべき道筋が見えた瞬間でした。
未来へ向けて‐ 次世代を巻き込んだ組織改革が始動
現在、斎藤塗料様では、私たちも伴走しながら、中期経営計画の達成に向けた組織改革が進行中です。特筆すべきは、5代目として事業承継を予定されている菅取締役自身が旗振り役となり、次世代の経営幹部候補や管理職の方々を積極的に巻き込んでいる点です。
「やらされる改革」ではなく、社員一人ひとりが自社の未来を「自分ごと」として捉え、粗利向上のための具体的なアクションを考え、実行する。
そのための仕組みづくりが、今まさに斎藤塗料様で始まっています。会社の未来を担う人材と共に、私たちはこれからも全力でサポートを続けてまいります。
お客様インタビュー