このまま今の事業を続けて、本当に生き残れるのだろうか…

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このまま今の事業を続けて、本当に生き残れるのだろうか…

梅木 今回は成長であったり、未来ということも考えていくということなんですけれども、当然不安が出てくるわけですね。このまま今の事業を続けて本当に生き残れるのだろうかといったような不安が当然出てくるわけですけれども、この点について、今日は学んでいきたいと思います。

まず最初なんですけれども、例えば経営が今それなりにうまくいっている、またはうまくいっている企業の後継者として引き継いだといったような場合ですね、今の状態でも充分いいのではないかというような気持ちになることがあるかと思います。そういった時にですね、いわゆる現状維持というものが、果たしてこれは経営戦略と言えるのかということについて塾長の考えをお願いします。

首藤 ある意味で、現状を維持するということ自体が一番難しいことであって、維持するがため、もしくは維持向上を若干でもするためにどうするのかというのが経営戦略の一つだろうというふうに思うんですね。ほっておけば必ず右肩下がりになっていくわけなので、何らか頑張ってもがいてやっていくことで、結果的にはですね、あんまり成長しなかったということはあるかもしれませんけれども、現状維持を、今年の成績を来年もやっていこう、再来年もやっていこう、5年後も10年後もやっていこうということはですね、相当難しいことですね。ですから、そんな難しいことを考えるよりは、きちんと成長するということを考えてやっていく。要は経営戦略として成長を目指していくということが重要ですし、そもそも組織というのは成長することに意義があるのであって、成長しない組織であれば余り組織として意味がない。要はその会社の意義がないというようなことにもつながっていくと思います。

ただですね、倍々ゲームだとかいうような、本当に時機を得て急成長をしていく会社というのはたまにありますから、そういった急成長をしている段階においてですね、ちょっと2、3年倍々ゲームをして、5倍、10倍になってきた、ではこの1年だけは内部充実をするためにブレーキを踏もうというようなことは戦略として有意義だと考えます。

梅木 やはり成長をしていくことが重要だということですね。じゃあそのときに成長していく目標を立てということは多くの方がされていると思うんですけども、目標を立てた後ですね、この後、具体的に何から手を付けていけばいいのかということについてよろしくお願いします。

首藤 やはり目標を立てるというのは、あんまりちっちゃな目標を立てても仕方がないと思うので、目標というよりも、目的だとか方向性だとか、ビジョンだとか、そういうような類いに値するのかなと思いますけれども、最低でも5年とか10年とか、そういうようなところでの目標を立てた後にすべきことは、やはり現状分析ですね。

行きたい世界が、ありたい世界がはっきりしたわけですから、じゃあ今はどうなっているのかということが重要になってきます。特に人的の状況、人的状況、社員さんがどのぐらいのモチベーションでいるのかとか、ロイヤリティーがどうなっているのかとか、社員さんがどういうような人生設計を考えているのか、もしくは全く考えていないのか、そういうことをまずはきちんと調査してですね、今いらっしゃる社員さんに合わせるけれども、5年後、10年後には自分が立てた目標には達成するような作戦を考えなきゃいけない。作戦を考えるんですから、当然、現状がどうかということがしっかりわからなければいけないということですね。

成長を志す場合、いろんな要素がありますけれども、ほんと80%、90%を占めるのは人です、社員さんです。その社員さんがどんな状況であって、どういうような刺激を与えれば育っていくのか、もしくは自立していくのか、自走していくのか、そういうことを考えるためにも現状を分析したいというふうに思います。

分析する場合にですね、数値化できるのが一番いいんですけれども、当然数値化できないものもあります。特に人的な要素というのは数値化しにくいものが多数あります。できるだけ数値化して、数値化できないものはですね、最低限感想だとかイメージだとか、あった出来事だとか、そういうことは文書化して、後から見てもその状況をある程度思い出せるように、そういうような形でとっておくといいと思います。

梅木 今回はこの現状分析において、いわゆる会社の外と中、組織の外と中を分析するための方法として3C分析、そしてSWOT分析というところを御紹介していきたいと思うんですけれども、この方法については、ネット上の情報であったり、書籍に書かれていますので、この3C、SWOTを効果的に行うためのノウハウについて教えていただければと思います。

首藤 3C分析、SWOT分析、僕はこれをやれば現状分析はできるというふうに思っていますし、多分皆さんも一回は聞いたことがなるんじゃないかなと思いますが、3C分析にしてもSWOT分析にしても1回はやったことあるけどとかですね、聞いたことあるけどとかというレベル感の方が多数じゃないかなと思います。そういった意味で、この分析を有効にする大きなノウハウ、これしかないかもしれないというノウハウは「継続すること」です。何回も何回もやってみることです。社長は4半期に1回、幹部は半期に1回、管理職以上は年に1回、それ以上は必ず3C分析とSWOT分析をする。毎回できればうまくなるように頑張るということがまず第一です。それと、1人だけでやるということ、もしくは社長が幹部だとか管理職だけに任せて、自分はしないだとか、そういうことはダメですね。ですから、一緒にやる、当然、時間、時空を一緒にするという方法もあれば、時空は一緒にしないけれども、別々にすることはやったりだとか。一番うまくいかないのは社長だけやって、社長は答えを知っているけれども、幹部は全くわかっていない。これはもう滑るだけ滑って何も会社としては動かない。また、社長がすぐ幹部を「考えていない」「やってない」というような負のことばっかりしか生まれてきませんから、ぜひ一緒にやって、答えは一緒にならなくて全然OKなので、まず一緒にやる。それから何回も継続して、少しずつでもうまくなっていくということは非常に大切なポイントになります。それから何回も継続して、少しずつでもうまくなっていくということは非常に大切なポイントになります。

それから、中身的なものですけれども、競合他社というのが生まれると思います。そういうコンペティターですね、というところは、やっぱり数年間はですね、ベンチマークしてどんな外形なのか、どんな噂があるのか、特に調査機関ですね、東京商工リサーチさんだとか帝国データバンクさんだとか、そういうところのデータはですね、そんなにお金をかけなくても、1通千何百円だとか、詳しい調査だと数万円かかったりしますけれども、そういう調査はきちんとされてですね、どんな外形しているのかというのは必ず取っておくことだと思いますね。建設業においてはですね、許可制のものであれば、県庁に行けば数字というのをネット上でも出ていますし、また病院なんかもですね、そういう数字的なものというのは公開していることがありますので、そういった無料のデータなんかもありますから、それなどもうまく使っていただきたいなと思っています。

また、一緒だとか数名が集まって、3C分析、SWOT分析するというようなとき、または分析した後に対策を考えるだとか、そういうときにはできればファシリテーター役、要はその会を進行していく、進行をお手伝いするような方、もしくは外部でですね、3C分析、SWOT分析などの補助ができる方、そういう方をちょっと入れるだけでも品質が全く変わってきますから、特に最初始めてやる、もしくは数年間は必ずやろうと思っているのであれば、数年間ね、ちょっとお金がかかるかもしれませんけど、数時間、1日、2日のフィーを払えばしてくれると思いますから、そういった方をお願いしたりして使えばいいなと思います。

最後に3C分析、SWOT分析したら、必ず自社のウイークポイントだとか、自社のストロングポイントというのが出てきます。そこはなぜそういうふうになっているのか、必ず原因があるわけなのでですね、その原因をきちんと分析した上で、根本的な対策を立案して実行することですね。モグラたたきみたいなですね、こんな問題があるからこれを何とかしようみたいな、そんなことばかりでやっていると、全く1年経っても結局は何も解決しないということばかりになっていきますから。まず根本的な問題、例えば社員さんの教育が足りないのであれば、社員教育からどのぐらいの期間をかけて、どのぐらいお金をかけてやっていくのかみたいなところからですね、ぜひ対策を考えて実行してもらいたいというふうに思います。

梅木 ありがとうございます。キーワードとして継続すること、そして根本的なものに入っていくことということがキーワードとしてありました。今回も大変勉強になりました。

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