建設業界のマネジメント

はじめに

マネジメントと聞くと「何やら難しいもの」と思ってしまい、敬遠しがちなものだと思います。その代表格の一つが、P.F.ドラッカーの「マネジメント」であることは、疑う余地もありません。

とは言え、会社経営にはマネジメントは欠かせないものなので、今回は「建設業界のマネジメント」という、ちょっと独特な組織の運営や経営に関して、わかりやすく、簡単に説明したいと思います。

マネジメントをググってみると

(引用)「マネジメント」の意味や方法とは? 4つのスキルや階層、業務別マネジメントの種類も徹底解説!|HRpro

ドラッカーの「マネジメント」の概念と定義では、「マネジメント」の概念は、アメリカの経営学者、ピーター・ファーディナンド・ドラッカー(P.F.ドラッカー)が、1973年に刊行した著書『マネジメント』の中で提唱した言葉だとされている。教育やコンサルティング活動と並行して、ビジネスに有用な経営・経済に関する著作を多く執筆。2005年の逝去後は「経済学の父」、「マネジメントの父」と称えられている。ビジネスパーソンなら1度は名前を見聞きしたことがある人物だろう。また、近年ではドラッカーの「マネジメント」を汎用化し生活に取り入れてみる、といったコンセプトの書籍や映画などのメディアコンテンツも誕生したことは記憶に新しいかもしれない。

という感じで、やはりドラッカーが引用されています。

なぜ「建設業界のマネジメント」なのか

建設業界の特別な点の一つは、「職人さん抜きに現場は何一つ動かない」ということだと思います。

基礎打設、鉄骨構築、足場作業、外壁や内装、電気や給排水、塗装や仕上げなどなど、多くの複雑な工程のどの部分でも職人さんが、その持てる技術を駆使して構築していきます。

現場の頂点として、ゼネコンの所長がマネジメントしているわけですが、各専門業のサブコンの管理者を通じて、職人さんへ指示や進捗管理がなされています。

特に多くの建設業社では、現場の竣工が主で、予算管理が従の立場になっています。

ですから、業社の中には、赤字か黒字かわからないままに業務を遂行しているものも現れてきます。

そもそも、それぞれの会社が、それぞれの繁栄を目指して、日夜努力を重ねているのですが、その結果が、「赤字」というのであれば、主客転倒も甚だしい限りです。

それぞれの会社が、「黒字」を維持発展させるためにも、「建設業界のマネジメント」の必要性は高いと思います。

まずは5つの自問自答をしましょう

  • 我々のミッションは何か?
  • 我々の顧客は誰か?
  • 顧客にとっての価値は何か?
  • 我々にとっての成果は何か?
  • 我々の計画は何か?

この5つの質問を会社の幹部と自問自答を繰り返しつつ、お互いの意見を協議していくことから、マネジメントは始まります。

我々のミッションは何か?

会社なので人が集います。ですからこそ、その人心を掌握する「夢」や「志」が必要になってきます。「理念」とも「ミッション」とも言い換えることができます。

建設業界なので、建物づくりや街づくりといった「キーワード」や技術の伝承などの次世代への「バトン」というのも、良いと思います。

我々の顧客は誰か?

どんなお客様を想定しているのか?ということが明確にならなければなりません。高付加価値で高価格のものを好まれるのか?逆に低付加価値で低価格のものを望まれるのか?などなど、「我々の」「お客様」はどんな人か考えてみましょう。

建設業界なので、現場監督がお客様なのか?それともその建物を使う人がお客様なのか?という視点も大切です。また、戸建て住宅へのサービス提供などがあれば、どんな所得帯なのか?どんな住環境なのか?どんな年齢層なのか?といった視点が必要になると思います。

顧客にとっての価値は何か?

私たちが何を提供しようとしているのか?ということを考えさせられます。

建設業界としては、「安全」「安心」「丁寧」といった視点は必ず必要になると思います。自己満足的な仕事ではなく、顧客の気持ちに寄り添うサービスが必要になりますし、その実践のためにはアンケーティングなどの情報収集も必要になります。

我々にとっての成果は何か?

これは、代金だけではない、ミッションに通ずる成果です。そもそも私たちが提供して得ようと思っているものは、何なのか?という視点を持ちましょう。

建設業界としては、建物や街、技術、伝承、優しさ、安心などがキーワードになると思います。

我々の計画は何か?

やっと計画にたどり着きます。以上の4つを明確にしてからこそ、私たちの計画が明らかになるのです。

建設業界としては、SDG’Sを視野に入れた、中期計画や長期計画が望まれると思います。

結論としては

建設業界のマネジメントのポイントは、現場の竣工も重要だけれど、自社の予算管理の方がもっと重要ということを周知徹底することと5つの問いについて経営幹部やできれば全社員と、自問自答と協議を通じて、それぞれお互いの意見を明確にしていくことが求められます。

社員同士や経営幹部たちが時間を共有することが難しい業界ですから、SNSやDXなどのツールを活用して、より良いマネジメントを構築してください。

 

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